2009年5月12日火曜日

スマートタギング&共有サービス Twine



http://www.twine.com/

Twine(よりあわせた紐のこと)はRadar Networks社により開発され、2008年10月21日から一般向けサービスを開始。同月サンフランシスコで開かれたweb3.0カンファレンスにおいてかなりの注目を集めたと言う。

  これは一種のソーシャルブックマークサービスで、取り込んだブウェブページから内容や構造を読み取り、機械学習や自然言語解析に基づき自動でタグ付け(ス マートタギング)を行う。いくつか試してみたところ、ページ内容と関連性があるがページ自体には現れない語もいくつかタグになっていた。

※Game studies(wikipedia)の場合、ページ内には現れないAmerindian(メキシコのネイティブ部族についての言及がある)や、少し触れられただけだが重要なLudology(物語論を応用したゲーム研究手法)などがタグ付けされた。
ソースページ http://en.wikipedia.org/wiki/Game_studies

 さらにテキストに限らず、動画や画像などセマンティック解析を行えるものであればタグ付けが可能としている(ただしそちらの精度は未確認)。

  利用するにはユーザー登録が必要で、登録すると自分専用のブックマークスペースが与えられる。次に、ユーザーはブラウザのブックマークにブックマークレッ トを追加し、ブックマークツールバーに表示されたブックマークレットをクリックすることで、現在表示中のページをTwineに送信する。
 ブックマーク情報を受け取ったTwineは、内容に従ってタグ付けを行うとともに、ブックマークしたユーザー情報も記録する。これはユーザーの好みを分析したりするのに利用される。

  Twineはソーシャルネットワークサービスとしての側面も持つ(きわめて簡素な物ではあるが)。付されたタグをクリックすると、そのタグと関わりの深い と思われるタグやブックマークの一覧と共に、同じタグ(語)を付されたページをブックマークしたユーザーの一覧が表示される。
 また自分の「友人」が登録したページや、そこでの頻出語(タグ)などが自分が検索を行った時の結果表示の優先順やリコメンデーションなどに影響する。

  ここでは重要語の選択と相互関係の把握には、wikipediaなどのオンラインデータベースも利用している。過去のブックマークやwikipediaな どを参照し、重要と思われる語(特に人名などの固有名詞)を拾い出してお互いの関係を(同一ページでの出現頻度や文章の解析から)「セマンティックグラ フ」を作成。これにより、ブックマークされたページには出てこないが関連性の高い語をタグ付け可能にしているらしい。

 とはいえ、コンテンツによっては解析に失敗し、不適当なタグがついてしまう場合も多くあったし、日本語ページにはタグ付けはほとんどの場合上手くいかないようだ。その意味でも、まだ試行的なサービスであると感じた。

  トラフィックの方はまだまだではあるが、公開から半年程度と考えれば伸び自体は順調のようである。

※もう少しタグ付けの精度が上がれば、ではあるが、他のサービスとのマッシュアップに利用価値が高いのではないかと感じた。

1 件のコメント:

  1. 先行するソーシャルブックマークと異なり
    統計→可視化できるのは確かにおもしろいですね。

    一方で、すでにスタンダードなブックマークサービスが幾つかあるので、それらからのインポート機能が充実すれば(試してみた限りではなかった)さらに良いですね。

    返信削除