2009年7月6日月曜日

Web3.0世代のホームページ作成サービス「Jimdo」

Jimdoとは?  
 Jimdoとは、2007年にドイツのJimdo GmbH社が開発したWebホスティングサービス。同年のサービス開始から1年半で50万人以上のユーザーを集め、日本語版のほかに英語、ドイツ語、中国語、フランス語、ロシア語、イタリア語、スペイン語の7カ国語版が提供されている。

Jimdoの特徴:
 Jimdoはウェブ上でウェブページデザインのための全ての操作を行えるようデザインされている。ウェブページの編集画面と完成画面を同一のインターフェースで表示するため、HTMLやCSSの知識がなくても直感的にページを作れる点が特徴。ページ編集、フォーム作成、ブログ、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)、フォトギャラリー、アクセス解析、外部サービスとのマッシュアップなどの機能を無料で利用できる。

Jimdoの理念:
 高品質なWebサイトを誰でも簡単に作成し、運用できる。


ホームページ作成にはスキルが必要だが、スキルを持った人材が少なく、ホームページ作成を支援できるサービスも少ない。


JimdoでWeb3.0 を実現する:


 静的なホームページを「Web 1.0」、ブログやSNS、動画共有サイトなどを「Web 2.0」とするなら、「Web 3.0」は、それらすべてをまとめられるサービスであり、「Jimdo」で実現できると説明。個人のホームページとしてはブログが普及してるが、「ブログの場合、更新は楽だがコンテンツが時系列に並び、必要な情報を探すのに手間がかかる。その点では、従来のホームページの形式が良い」とした。
Jimdoの機能:
 
 デザインテンプレートからページを作成し、タイトルやメニュー、コンテンツを編集する。Ajaxベースで、Internet Explorer、Firefox、Safari、Google Chrome、Operaといった主要なブラウザに対応する。テキストや画像などのコンテンツは、対応する「モジュール」を追加して、編集する仕組みだ。YouTube、Flickr、Googleマップなどの貼り付けも可能。アクセス解析機能も用意する。デザインの変更や文章の編集、レイアウトの調整がすべてWeb上で完結している。
 タイトルの変更などは、変更したいパーツをクリックすれば、編集画面が開き、開いた画面で編集し「保存」をクリックすると、ページが書き換えられる仕組みだ。いわゆるWYSIWYG形式で、すぐにリッチなホームページができてしまった。
Official Website:http://jp.jimdo.com/















2009年6月29日月曜日

知識マネジメント⇔ナレッジマネジメント⇔データベース

今まで紹介されてきた知識マネジメント的な目新しいサービスというよりも、今回は企業等で使われている商品情報データベースやナレッジマネジメントサービスの潮流を中心にした、別の角度からの事例紹介をします。
データを記録するものをこのように分類をして、各々の相関関係や類似性・特徴などを考えて行きます。
これらの中でも、今回はデータベースが話の中心です。

データベースには一般に知られ使われているものとしてリレーショナルデータベース、即ち、ACCESSやSQLserver、Oracleなどと、それ程知られていないけれどMAC系のソフトウェアだった、ファイルメーカーのようなカード型データベースがあります。
(*最近稀に企業でも部分的にファイルメーカーを導入している事例をみるようになりました。)

このなかのeBASEはACCESS及びSQLserverをカード型データベースのように運用させたソフトウェアです。
データベースの構造的な側面から比較してみます。

RDB以外は、実はよく似ていています。
それはデータベースの正規化が不要なので、データベース項目の追加が可能である点です。

RDBではデータベースの正規化をしなければなりませんが、一度正規化を経て構築されたデータベースに項目を追加することはできません。項目を追加する場合には、もう一度初めからデータベースを構築し直して、データを移行せねばならず、大きな作業負荷がかかります。
しかし、最近は社会的環境、経済的環境、法律的環境の変化が早く、すぐに項目追加の必要がでてきます。
例えば、エコロジーに関する法律が施行されたり、取引先からエコロジーに関する項目の提供を新たに求められるようになるなど、様々です。
ですから商品情報データベースなどでは、伝統的なRDBは使いにくくなっています。
eBASEは、RDBのデータベース項目を「項目名」と「値」と定義しているだけなので、自由に項目を追加できます。実質的なデータは縦に長い1つのテーブルに収められることになります。
(ひたすら縦に長く書き連ねるだけでは、検索速度が遅くなるのですが、それを回避する構造は別途持っています。)
このように1枚のテキストファイルに<項目名>値と縦にデータを書き連ねるXMLとデータベースのテーブルに縦に長く書き連ねるeBASEは非常によく似た構造だと言えます。
情報を管理するDBとしては、テキスト以外のデータ、画像、動画、音声、Officeなど様々なアプリケーションで作られたファイル、などもDBに格納し管理する必要があります。
・これらのファイルをDBの外のフォルダで管理する方がDB自身のファイルサイズは小さくて済みます。
またDBの項目は用途に応じて、必要な項目を、用途に応じて理解しやすいレイアウトで表示する方が合理的です。
次にデータの入力について考えます。
多くの商品情報DBは構築運用に失敗します。
(1)社外(仕入先)などから帳票(手書き、EXCEL)などで貰った商品情報を、社内の担当者がDBに入力する場合。
・入力ミス、入力のタイムラグが発生する。
・入力負荷やコストパフォーマンスから、取引会計上最低限の情報(価格、仕入値等)、物流上最低限の情報(サイズ、重量等)までが入力運用できる限度なので情報量が少ない。
(2)社内のDB構築担当部門が入力する。
・単純作業なので、入力担当者のモチベーションが上がらない。
・商品情報が確定し、入力可能になる頃には、商談等の活用の場は殆ど終了していて、情報として役に立たない。
   ↓
タイミングが遅れた、最低限の情報しかないので、誰も閲覧しなくなる。
誰も閲覧しないから、入力も疎かになる。
だから外部による情報登録が有効になります。
仕入先から帳票ではなく、直接商品情報の登録データを貰う。
印刷会社がカタログやパンフレット制作用に作成したデジタルデータを貰う。
などの方法です。
この時に、データ登録はWEBブラウザの入力画面を通じた登録が良く考えられますが、これは実際の運用上難しい面が実はあります。

WEB画面での入力では、まず回線の問題があります。まだまだ地方の取引先ではISDNなどの回線しか使えない地域があり、このように回線が細いと、画面表示が遅い、データ登録処理が遅いなどの問題が発生します。
また実際の業務上では来客などで登録業務を中断させられた時に保存を忘れると、経時でセッションアウトし、登録データを失うことがあります、(このBloggerは自動保存機能が強力でいささか驚いていますが、稀な対応です。)
また登録データは入力者側(C社)ではなく、登録先(A社やB社)にあるので、登録データの閲覧の不自由さと、登録先が複数(A社とB社など)あると、何度も類似のデータを登録しなおす必要があります。

入力者側(D社)のローカルでデータを登録して、そのデータを複数の登録先に振り分けて送信する形にすると、入力は一度で、複数の登録先の登録ができ、入力者側にもデータが残ります。
送信もHTTPなどでバッチで送るので、回線の太さの影響もありません。

このようにして構築されたDBに以下のような例があります。



<補遺> 
1. HyperCard
・http://www011.upp.so-net.ne.jp/PARK/
・http://ja.wikipedia.org/wiki/HyperCard
2.ファイルメーカー
・http://www.filemaker.co.jp/
3.Gamedios
・http://www.gamedios.com/
4.eBASE
・http://www.ebase.co.jp/
5.LotusNotes
・http://www-06.ibm.com/software/jp/lotus/
・http://e-words.jp/w/Lotus20Notes.html
6.サイボウズ
・http://cybozu.co.jp/

2009年6月16日火曜日

VGI(Volunteered Geographic Information)の可視化に関する研究事例

Web上でユーザ参加型のサービスが増えている中で、VGI(Volunteered Geographic Information:ユーザ提供型地理情報)に関するコンテンツも増えてきている。またその可視化に関する研究も活発に行われるようになってきた。

以下の論文では、英国とアイルランドに関する地理情報付き写真を集めている Geograph British Isles( http://www.geograph.org.uk/ )などを対象として、そこでの地理情報やタグの可視化研究に取り組んでいる例である。

Geograph British Islesの画面1

Geograph British Islesの画面2

J. Dykes, R. Purves, A. Edwardes, and J. Wood, Exploring Volunteered Geographic Information to Describe Place: Visualization of the 'Geograph British Isles' Collection, Proceedings of GIS Research UK: (Manchester, UK), 2008, pp. 256-267.

http://www.unigis.org/gisruk_2008/proceedings/dykes_purves_edwardes_wood.pdf

vizoo

私は今まだ利用している日本のサイトはありませんが、授業をきっかけに、いろいろなサイトを探しに興味が出てサービスを発見した。

http://www.visualzoo.com/

Web上でいろいろな企業のデータを1つのグラフで重ねって自分の好きなグラフを書く事ができる。

FILLMORE ADVISORYが新たにサービスするvizooはWeb上でデータを検索し、検索したデータを別々に作業する必要なく、すぐにグラフに適用してグラフを作成し、共有するサービスだ。

vizoo は、企業の財務諸表と株価、経済指標などのデータを簡単に検索して分析し、分析されたデータをFlashのGraphic contentsと してYouTubeようにWeb上で直接作成して共有することができ、また、ブログやサイトに簡単に付けることができ、グラフは、データと連動され、デー タが変更する時グラフも一緒に変更する。

個人は無料で利用でき、企業向けに提供される有料サービスvizoo Proは7月から提供する予定で、企業のデータ分析と知識の共有ツールとして活用されると期待する。

より多くの統計データを基に、この形式のサービスが提供すれば、統計データへのアクセスが高まって簡単に必要なグラフを作成することができるのである。

2009年6月14日日曜日

タイムライン&地理情報マッピングサービス: Dipity



Dipity は、RSS Feed や XML データを読み込み、タイムラインを作成するサービスである(作成できるタイムライン数によって、無料と有料に分かれる)。

 Dipity
 http://www.dipity.com/

たとえば、Flickrや YouTubeなどに作成した自分のページのURLを入力することで、自分の投稿履歴をもとしたタイムラインを作成することができる。

さらに、Simile Timeline XML 形式のデータを Web上に置き、それを読み込ませることで、年表と地図を組み合わせたコンテンツを作成することができる。

Simile Timeline XML形式:

 <data>
  <event start="年月日" end="年月日" title="タイトル"
    image="画像URL" link="">Location:地名
  </event>
  …
 </data>



例として、Simile Project のデータを参考に、以下のようなXMLを作成する。


 <data>
  <event start="1732 Feb 22" end="1799 Dec 14"
   title="George Washington"
   image="http://upload.wikimedia.org/.../100px-Portrait_of_George_Washington.jpeg"
   link="">
   Location:Westmoreland County, Virginia, USA
  </event>
  <event start="1735 Oct 30" end="1826 Jul 04"
   title="John Adams"
   image="http://upload.wikimedia.org/.../Johnadamsvp.flipped.jpg"
   link="">
   Location:Braintree, Massachusetts, USA
  </event>
  ...
 </data>



これを Dipity に読み込ませることで、以下のタイムラインが生成される。

 http://www.dipity.com/timeline/President



上のXML データには地名も含まれているため、以下のような地理情報に基づく可視化も容易に行うことができる。

 http://www.dipity.com/timeline/President/map

タイムライン作成サービス: @nifty TimeLine

Web上で 自分用のタイムライン(年表形式のコンテンツ)を作成するサービスが増えている。

@nifty TimeLine は、タイムラインをもとにした参加型情報サイト(無料)である。現在、「自分史」のような個人的なものから、「日本史・合戦タイムライン」など、多くの人にとって関心があるテーマで様々なタイムラインが作成されている。わかりやすいユーザインタフェースが提供されているのが特長で、オンラインコミュニティとして成長しつつある。

 @nifty TimeLine
 http://timeline.nifty.com/

 日本史・合戦タイムライン
 http://timeline.nifty.com/portal/show/1499



以下は、ホノルル美術館のコレクションから、時間情報を取り出し、タイムラインにマッピングした例である。

 ホノルル美術館コレクション・タイムライン
 http://timeline.nifty.com/portal/show/8790



@nifty Timeline で作成したコンテンツは、タイムラインの左下に表示される「貼り付けタグ」に書かれたHTMLコードをコピー&ペーストすることで、ブログやWebページに簡単に組み込むことができる。上の2つのタイムラインは、その方法を用いてこのブログに組み込んでいる。

検索語分析ツール by Google

Google は、Web検索情報を元にした可視化ツールを公開している。

「Google Trends」は、検索トラフィックを、時系列、国・地域、都市、言語別に表示する。

 Google Trends
 http://www.google.co.jp/trends/



以下のように、URLの後ろに語を追加した検索も可能。

 http://www.google.co.jp/trends?q=Kyoto

「Google Trends」を拡張させた「Google Insights for Search」では、語句の検索動向を、より視覚的に表示する。

 Google Insights for Search (beta)
 http://www.google.com/insights/search/



例えば、Tokyo と Kyoto という語句で検索すると、それぞれの都市名に対する関心や検索動向の違いが推測できる。

 「Tokyo」の検索例
 http://www.google.com/insights/search/#q=Tokyo&cmpt=q
 →関心度の高い国・地域は、Japan、Singapore、Hong Kong、Indonesia、Malaysia の順。

 「Kyoto」の検索例
 http://www.google.com/insights/search/#q=Tokyo&cmpt=q
 →関心度の高い国・地域は、Singapore、Hong Kong、Japan、Austoralia、Canadaの順。

日本語でも検索できる。例えば「ナレッジマネジメント」、「知識」などを検索すると、以下のような結果になる。

 「ナレッジマネジメント」を検索 →当然ながら、日本のRegional interestが高い。

 「知識」を検索 →漢字なので、台湾のRegional interestが高いこともわかる。

2009年5月25日月曜日

ニコッとタウン&プーペガール

ネット上に構築される「仮想空間」は、現在爆発的に増加している状況があります。セカンドライフ(http://jp.secondlife.com/)はアカデミックな文脈からも注目を集めており、教育用途での応用可能性や新たな経済領域としての巨大さが認知されています。

一方でセカンドライフに対してよく言われているのが①要求スペックの高さ、②非日本人的デザイン感覚、③目的が付与されない空間の居心地の悪さ、によって日本人(特に一般ユーザ)には向いていないということです。

一方で現在、国内においてはこれら3つのセカンドライフの反省を踏まえて新たなサービスが続々とユーザ数を集めています。これらサービスの特徴は①flashベース(=軽い)、②ゲームなどをデフォルトで搭載している(=とりあえず目的がある)、③等身が小さめ(=かわいい)、という点だと思われます。今回はこの中から2つのサービスを紹介します。


まず国内で大きなものとしては「ニコッとタウン(http://www.nicotto.jp/)」があります。こちらはゲームなどの設置に力が入っており、ゲームを行いながら他者とコミュニケーションを行えるといった仕組みでユーザの「やることがない」を低減させています。またこのサービスに特徴的なのが、夜12時になると、一旦サービスが翌朝まで停止する点です。ネット持つ自由度の高さを制限することで、逆にユーザ間の関係性をより安定化させている例であると考えられます。

またこの中のゲームで遊ぶには、仮想通貨が必要です。これを得るために効率的であるのは「ブログを書く」ということです。中身的にはSNSですが、空間内の生活のためにユーザ情報を開示させていく&交流のきっかけを生成させるという手法はきわめて複合的で効率的に思われます。


次に面白い例としては「プーペガール(http://pupe.ameba.jp/)」です。運営はアメーバで、ファッションと女子にターゲットを絞り込んだ仮想空間になります。こちらは仮想空間というよりもアバターサービス(アバターの着せ替えが主)寄りです。このサービスをざっくり語ると、自分のアバターを着飾って、他者と褒め合うという構造です。ただ面白いのがこのアバターの衣服やアクセサリーを得るためにはユーザが所有するリアル衣服などの写真と説明の投稿が必要であるという点です。

このシステムによってユーザはアバターを着飾りたい→どんどん自分の衣服やアクセサリを投稿するという構造が生まれ、巨大なファッションデータベースが構築されています。知識共有へのモチベーションを演出するという点で非常に面白い例だと思います。

2009年5月12日火曜日

スマートタギング&共有サービス Twine



http://www.twine.com/

Twine(よりあわせた紐のこと)はRadar Networks社により開発され、2008年10月21日から一般向けサービスを開始。同月サンフランシスコで開かれたweb3.0カンファレンスにおいてかなりの注目を集めたと言う。

  これは一種のソーシャルブックマークサービスで、取り込んだブウェブページから内容や構造を読み取り、機械学習や自然言語解析に基づき自動でタグ付け(ス マートタギング)を行う。いくつか試してみたところ、ページ内容と関連性があるがページ自体には現れない語もいくつかタグになっていた。

※Game studies(wikipedia)の場合、ページ内には現れないAmerindian(メキシコのネイティブ部族についての言及がある)や、少し触れられただけだが重要なLudology(物語論を応用したゲーム研究手法)などがタグ付けされた。
ソースページ http://en.wikipedia.org/wiki/Game_studies

 さらにテキストに限らず、動画や画像などセマンティック解析を行えるものであればタグ付けが可能としている(ただしそちらの精度は未確認)。

  利用するにはユーザー登録が必要で、登録すると自分専用のブックマークスペースが与えられる。次に、ユーザーはブラウザのブックマークにブックマークレッ トを追加し、ブックマークツールバーに表示されたブックマークレットをクリックすることで、現在表示中のページをTwineに送信する。
 ブックマーク情報を受け取ったTwineは、内容に従ってタグ付けを行うとともに、ブックマークしたユーザー情報も記録する。これはユーザーの好みを分析したりするのに利用される。

  Twineはソーシャルネットワークサービスとしての側面も持つ(きわめて簡素な物ではあるが)。付されたタグをクリックすると、そのタグと関わりの深い と思われるタグやブックマークの一覧と共に、同じタグ(語)を付されたページをブックマークしたユーザーの一覧が表示される。
 また自分の「友人」が登録したページや、そこでの頻出語(タグ)などが自分が検索を行った時の結果表示の優先順やリコメンデーションなどに影響する。

  ここでは重要語の選択と相互関係の把握には、wikipediaなどのオンラインデータベースも利用している。過去のブックマークやwikipediaな どを参照し、重要と思われる語(特に人名などの固有名詞)を拾い出してお互いの関係を(同一ページでの出現頻度や文章の解析から)「セマンティックグラ フ」を作成。これにより、ブックマークされたページには出てこないが関連性の高い語をタグ付け可能にしているらしい。

 とはいえ、コンテンツによっては解析に失敗し、不適当なタグがついてしまう場合も多くあったし、日本語ページにはタグ付けはほとんどの場合上手くいかないようだ。その意味でも、まだ試行的なサービスであると感じた。

  トラフィックの方はまだまだではあるが、公開から半年程度と考えれば伸び自体は順調のようである。

※もう少しタグ付けの精度が上がれば、ではあるが、他のサービスとのマッシュアップに利用価値が高いのではないかと感じた。

2009年4月27日月曜日

kizasi.jp

必ずしも新しい事例ではないが、日常と深く関わる事例としてkizasi.jpを挙げる。

kizasi.jp
http://kizasi.jp/

kizasi.jpは、株式会社きざしカンパニー(2007年に株式会社シーエーシーが設立)が運営する、ブログ記事の集約・解析サービス。2005年に正式運用が始まった。



従来の新聞社等による報道は「新聞社が重要と判断した情報」を伝えるものであり、読者は「選択された情報」を受動的に受け容れるしかない。ある情報が重要かどうか(速報で出るか、トップ記事となるかなど)も、基本的には新聞社等の判断に委ねられている。

一方、ウェブサイトの構築以上に運営が簡便なブログは、誰もが情報の発信主体になれる可能性を提供したが、その反面、ブログの情報は正確さが保証されないほか、きわめて個人的な記事の乱立によって情報が錯綜し、情報の重要度がわかりにくくなっている。

両者の断絶を埋める試みの一つが、kizasi.jpであると言える。kizasi.jpでは、毎日約25万のブログの記事の中から関連するキーワードを抽出し、一つの「話題」としてまとめ、ブログでの登場頻度に応じてランキング形式で視覚化している。ランキングは10分ごとに更新され、日・週・月・年ごとのランキングを参照することができるため、1年前の同じ月と比べて「話題」がどう変化したかを比較することも可能となっている。

また、分野ごと(例えば、「映画」「政党」など)に注目されている「話題」のランキングも作成されているほか、任意の語に対してどのような「話題」が語られているかを検索することもできる(例えば、2009年3月において、「感動」という語とともに最も語られた「話題」は、「侍ジャパン」である)など、ブログ記事を活用した多様なサービスが提供されている。

kizasi.jpは、新聞社等のウェブサイトと個人によるブログが抱える、「人々の要求に応じた多様な情報を正確に発信する」という課題に必ずしも応えるものではない。しかし、社会におけるニーズの発掘や、同じ話題に対して存在する、ないしは存在しない、社会における多様な「読み」を把握し、考察することの手助けをしてくれる。


*浅学のため事実誤認などがあればご指摘ください。

2009年4月25日土曜日

SIMILE Timeline

SIMILE Timeline は、年表などの時間情報を可視化する道具を提供するオープンソースプロジェクトである。


http://simile.mit.edu/timeline/


SIMILE Timeline は、Web上での多様なリソースの可視化に取り組んでいる SIMILE (Semantic Interoperability of Metadata and Information in unLike Environments)のサブプロジェクトである。

例えば以下の例は、ケネディ大統領暗殺に関する出来事を時間軸上にマップした例である。

http://simile.mit.edu/timeline/examples/jfk/jfk.html


他にも、SIMILE Timeline を使った様々な事例が以下のページで紹介されている。

http://simile.mit.edu/timeline/examples/


Simile Timeline と Google Maps で提供される道具を組み合わせることで、時空間情報の可視化を行っている事例もある。以下は、米国大統領の在任期間と出身地をマッピングしたものである。



http://simile.mit.edu/exhibit/examples/presidents/presidents-2.html


なお、上の例では、年表や地図の右上にあるハサミの形をしたアイコンをクリックすることで、RDF/XMLをはじめとする標準形式のデータを取り出すことができるようになっている。

2009年4月22日水曜日

UNESCO World Digital Library

ユネスコの World Digital Libraryのウェブサイトが公開された。

UNESCO World Digital Library

http://www.wdl.org/en/

米国国会図書館を中心に、全世界から32か国の図書館・博物館などの機関が参加しており、上記のウェブサイトから、提携機関が所蔵するコンテンツ(絵画、地図、写真など)を参照することができる。

UNESCOの紹介文:
UNESCO, U.S. Library of Congress and Partners Launch World Digital Library

現時点では、コンテンツの量はまだそれほど多くはないが、時空間を軸にしたブラウズ画面によって、簡潔でわかりやすいユーザインタフェースが実現されている。また、UNESCOのサービスでありながら、各コンテンツの詳細画面の中に「share」というボタンがあり、delicious や facebook にダイレクトに登録できるようになっているなど、Web 2.0の動きとの融合が図られている。

2009年4月20日月曜日

参加型マッピング -Wikimapia & OpenStreetMap-

 インターネット上の地図(Google Maps)にWikipediaライクな(地理)情報を表示するサービスとして、2007年から「Wikimapia」プロジェクトが始まった。
 このサイトは、Alexandre Koriakine とEvgeniy Savelievの2人のプログラマによって始められ、現在では101の言語(そのうち58の言語はインターフェースについても)がサポートされている。
 Goodchild(2007)によると、Wikimapia上には420万エントリーもの記事があるとされ、その多くが本家Wikipediaの詳細な記事とリンクされている。
 Wikimapiaでは、ユーザー権限によって場所に関する記事だけでなく、空間(たとえば、市区町村域、道路、河川など)も描画することが可能であり、地理情報に特化した参加型Webサービスといえよう。





 同様に、フリーの地理(空間)情報データを作成することを目的として2004年に立ち上がったOpenStreetMap(OSM)というプロジェクトがある。これは、GoogleMapsをはじめとする無料で使えるWeb地図サービスではカバーされていない大縮尺の地理情報や、地図の原本への変更などを可能とするものでベースマップ自体が対象となる。

 一般的なWeb地図サービスは、地図の表示こそ大半が無料であるものの、地図自体を加工・編集をすることが(ライセンス上)容易ではない。そこで、きわめて限られた地図のみが公開されていたイギリスが発端となり、構築が始まった。

 OSMの統計によれば、2009年4月時点でTrackPointは、750万地点、登録ユーザー数は、10万5千人にも達している。(http://wiki.openstreetmap.org/index.php/Stats



2009年4月13日月曜日

CultureSampo

ヘルシンキ工科大学が開発中の CultureSampoは、フィンランドの歴史文化情報アーカイブである。フィンランドの文化的コンテンツを、セマンティックWeb とオントロジー技術を使って統合し、Web 上で公開している。フィンランド中の博物館・美術館・企業などがコンテンツや情報を提供し、膨大なコンテンツをオントロジーによって結びつけることで、その時代にその場所がどのような状態で、そこで何が使われていたか、といった意味的な情報をブラウズ・検索できる実用性の高い仕組みが提供されている。



http://www.kulttuurisampo.fi/